経営事項審査とは

経営事項審査とは

建設業に関わる方であれば「経審」という言葉を聞かれたことがあるかもしれません。

経審とは「経営事項審査」のことを言います。

それでは「経営事項審査」とは、どのようなもので、どのような目的で行われるものなのでしょうか。

「経営事項審査」に関してわかりやすくご説明したいと思います。

 

経営事項審査とは

経営事項審査とは経営事項審査とは、公共工事に入札参加を希望する建設業者の経営力や技術力を、発注機関である国及び都道府県が、客観的な基準に基づいて審査し、評価する制度です。

簡単に言いますと、「元請として公共工事を入札したい場合に受けなければいけない審査」です。

ですから、公共工事を元請として受けない場合は審査を受ける必要はありません。

経営事項審査では、各審査項目ごとに点数評価をし、総合評点によって建設業者としての実力を点数化します。

申請は、希望する工種ごとに、主たる営業所のある都道府県で行います。

各発注機関はその結果通知をもとに、独自の主観点評価を加えて、入札参加資格業者の格付けをおこないます。

 

建設業許可の必要性

経営事項審査を受けるには「建設業許可」を受けている必要があります。

建設工事が500万円未満の場合は建設業許可は不要ですが、公共工事を受注する場合は経営事項審査を受けるために建設業許可が必要になります。

公共工事の受注には金額に関係なく経営事項審査を受ける必要がありますので、ご注意下さい。

 

経営事項審査の計算方法

経営事項審査の計算方法経営事項審査とは、どのような審査なのかを見てみましょう。

公共工事を発注する行政は、「なぜその業者に仕事を依頼するのか」の客観的な基準が必要になります。

「この規模の工事であれば○○点以上必要」とか「規模の小さな工事であれば○○点以上あれば十分」といったように、必要とされる経営力や技術力を持った会社を客観的に選ぶ基準となります。

総合評点(P)は下記の式で計算されます。

総合評定値 P = 0.25 X1 + 0.15 X2 + 0.2 Y + 0.25 Z + 0.15 W

 

経営規模の認定

X1:業種別の完成工事高

X2:自己資本額と平均利益額

 

経営状況分析

Y:財務諸表からの点数

 

技術力の評価

Z:業種別の技術職員数と元請完工高

 

社会性等の確認

W:営業年数、労働福祉、法令遵守、建設業経理などの状況

 

経営事項審査申請の流れ

それでは、経営事項審査を受けるための流れをみてみましょう。

 

決算変更届の提出

決算変更届経営事項審査を受ける受けないに関わらず、「決算変更届」を提出する必要があります。

「決算変更届」は、毎年税理士さんが決算時に作成する決算報告書を建設業法上の決まりに基づいて書き換えた財務諸表や決算期に行った工事の履歴書などを記載して行政庁に提出します。

決算変更届は毎年決算日から4か月以内に提出しなければいけません。

また、決算変更届は、建設業許可更新申請に必要な届出ですのでご注意下さい。

沖縄県の場合「事業年度報告書提出要領(決算変更届)」に詳しい内容が書かれていますので、ご参照下さい。

 

経営状況分析機関への依頼

先ほどご説明しました「決算報告書を建設業法上の決まりに基づいて書き換えた財務諸表」を経営状況分析機関と呼ばれる機関へ提出します。

この経営分析期間で財務状況を分析して点数化されます。

現在認められているのは下記の法人です。

登録番号 機関の名称 事務所の所在地 電話番号
(一財)建設業情報管理センター 東京都中央区築地2-11-24 03-5565-6131
(株)マネージメント・データ・リサーチ 熊本県熊本市中央区京町2-2-37 096-278-8330
ワイズ公共データシステム(株) 長野県長野市田町2120-1 026-232-1145
(株)九州経営情報分析センター 長崎県長崎市今博多町22 095-811-1477
(株)北海道経営情報センター 北海道札幌市白石区東札幌一条4-8-1 011-820-6111
(株)ネットコア 栃木県宇都宮市鶴田2-5-24 028-649-0111
(株)経営状況分析センター 東京都大田区大森西3-31-8 03-5753-1588
10 経営状況分析センター西日本(株) 山口県宇部市北琴芝1-6-10 0836-38-3781
11 (株)日本建設業経営分析センター 福岡県北九州市小倉南区葛原本町6-8-27 093-474-1561
21 (株)建設システム 静岡県富士市石坂312-1 0545-23-2607
22 (株)建設業経営情報分析センター 東京都立川市柴崎町2-17-6 042-505-7533

 

経営規模等評価申請書

経営状況分析機関の分析が終わりましたら、「経営状況分析結果通知書」が送られてきます。

その「経営状況分析結果通知書」を添付して、建設業の許可を受けている行政庁に「経営規模等評価申請書」を提出します。

この申請によって経営事項審査がおこなわれます。

経営規模等評価申請書記入要領」で詳しい記入例が説明されていますので、ご参照下さい。

受理された後、通常は2ヶ月以内で経営事項審査の結果が届きます。

 

有効期限

有効期限経営事項審査には有効期限があるので注意が必要です。

経営事項審査の有効期限は「審査基準日(決算日)から1年7か月」とされています。

決算日から税理士さんが決算報告をするまでの期限が2ヶ月あります。

変更届は決算報告書が出来てからでなければ作成できませんので、経営事項審査の有効期限が切れないように早めに準備をされることをお勧めします。

もし経営事項審査の有効期間内に次の年の経営事項審査の結果をもらえなかった場合は、その間は公共工事の入札ができなくなりますので注意が必要です。

 

提出先及び問い合わせ先

建設業に関する提出先及び問い合わせ先は知事免許と大臣免許で異なります。

 

知事許可

新規申請とそれ以外の届出はお問い合わせ先は以下のようになります。

 

新規申請

宮古管内   宮古土木事務所総務用地班(宮古合同庁舎3F)TEL:0980-72-2769

八重山管内 八重山土木事務所総務用地班(八重山土木事務所3F)TEL:0980-82-2217

その他   沖縄県土木建築部 技術・建設業課(県庁舎11F)TEL:098-866-2374

 

更新、業種追加、変更届、廃業届等申請

管轄の土木事務所庶務班又は総務用地班

南部管内  南部土木事務所 庶務班(南部合同庁舎4F)TEL:098-866-1129

中部管内  中部土木事務所 庶務班(中部合同庁舎4F)TEL:098-894-6510

北部管内  北部土木事務所 庶務班(北部合同庁舎3F)TEL:0980-53-1255

宮古管内  同上

八重山管内 同上

 

大臣許可

沖縄県土木建築部 技術・建設業課(県庁舎11F)TEL:098-866-2374